感想:問題解決 ― あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術
はじめに
データアナリストをしていく上で必要なスキルは数多くあると思いますが、その中でも基礎中の基礎、そしてビジネスをしていく上で恐らくあらゆる場面で必要とされるであろう能力は問題解決能力だと思います。
そんな問題解決能力ですが、社会人になってこの方、体系的に学んだことがないなとふと思いました。
特に、最近はデータ分析をする中で問題解決能力、もっと言えば問題発見・設定能力の重要性を痛感する場面がしばしばあるため、良い機会だと思いタイトルにある書籍を読みました。
書籍のリンクはこちら。
ざっくり書評
- 社会人1~2年目くらいの人にとっては、問題解決の行い方の基礎を得られる良書。
- 社会人歴3年目以降の人にとっては、自身の思考を整理するための手引に。
本書のポイント
問題解決の3ステップ+1
本書では、問題解決を行う上で、次のステップを順番に踏むようにと記載されています。
- WHERE :問題がどこにあるかを特定する
- WHY :その問題の原因はなにかを深く考える
- HOW :ではどうすればよいかを、論理的に導く
このステップを順番に正しく踏んでいくことがどれだけ大切か、ということに重点をおいている書籍だとも思います。
特に、問題解決する上での落とし穴として、「HOW思考」が挙げられています。
HOW思考とは、問題が発生した時に打ち手から考える思考のことです。
例えば、ある企業の問題として、売上の低下が発生していたとします。
この時、HOW思考の人間は「営業の人員をもっと増やそう」とか、
「販売時の値引き額を、最大で10%までにしよう」といったように、対策として何をすれば良いかを最初に考えてしまう、といったものです。
このHOW思考の何がいけないかというと、資源の無駄使いにつながってしまうことです。
企業や個人における資源は有限であり、何かをするということは他の何かをしない、ということと同義だと思います。
その状況の中、問題に対して適切な解決策になるかわからない思いつきの対策を、思いついた順に片っ端から行っていくことは、企業や個人資源の無駄使いに繋がります。
なので、3ステップを順番にいきましょう、ということになります。
本書で掲げているように、このステップを順番に踏んでいくという考え方は、普段の分析をすすめる上でも大切です。
企業における課題は日々発生していて、その種類も多種多様です。
多くの課題があるなかで、落ち着いてその発生箇所を見極めていかないと、より良い分析は行えないでしょう。
では、「+1」とは何かというと、WHAT のあるべき姿の定義のことを表しています。
問題解決型と、問題設定型。
問題は、大きく分けて2種類あります。
誰が見ても問題だと思える状態と、自らが問題だと設定する問題です。
前者は、例えば
- 今年度の利益が赤字
- 採用した新卒が全員1年目で退職
- 既存ユーザー数が去年比70%になった
といったものです。
こういった誰が見ても明らかに問題だと思えることは、先述の3ステップを順番に実施していけば良い対策に結びつくでしょう。
では、こういった例はどうでしょうか?
- 今年度の売上は昨年度より5%上昇した。
- 採用した新卒のうち、1年目で離職したのは2%だった。
- 既存ユーザー数が去年比101%になった。
去年と比べると悪くなっていない、またはなんとなく大きな悪影響にはなっていないため、人によっては問題と感じないかもしれません。ただ、企業をより良い状態へ導くためには、こういった一見問題がない部分も問題と捉え、どのように改善(向上)させていくかが大事です。
そのために、あるべき姿を定義して、そこから問題解決をしていくことが求められるのです。
本書のちょっとあれなところ
本書では、あるべき姿の難しい点として、何が問題かをみんなの共通認識にさせることだとしていました。個人的にはそれはちょっと微妙な点で、最も難しいのはその問題自体を見つけることだと思います。
データ分析をしていても、顧客から明確な問題を提示してくることもあれば、そうではないときもあります。問題が出てこないとき、いかに問題を見つけるか、問題を設定するかが本当に難しく、また問題発見能力自体が良いアナリストになるための能力だとも思います。
本書には、問題発見能力向上につながる糸口を求めたところもあり、その部分がやや物足りないなと感じました。
最後に
気づいたら1年位ブログを放置していました。
そのせいもあり、この記事で何を伝えたいかもよくわからない、文章もまとまりもない、といった結構メチャクチャな記事になったなと感じます。
とはいえ、文章がうまくなるには文章を書くことが大事だとも思いますし、より良いアウトプットをするにはより多くのアウトプットをすることだとも思いますので、とりあえず書ききりました。
もうちょっと、文章を書く頻度を増やさないとなぁ、、と身に染みる思いです。
ではまた!